見てくれていますか?Kちゃん.あなたのお話ですよ.
さて,スリーピーウッドに籠っていた次郎は,心優しい女の子と衝撃的な出会いを果たした後も,まだしばらくスリーピーに滞在していました.ももが余計な事を言うからもやもやとした気持ちが残ってしまったとはいえ,その子と出会えて話もできた(会話というより,一方的に話かけただけですけどネ)ことで,メイプルストーリーをプレイすることが楽しく面白くなりました.あの子と出会った時のように,ぼんやりとすることは減り,クエに狩りに精を出しておりました.
その間,あの子を探したことは一度もありませんでした.忘れてしまった訳じゃありませんが,「スリピに偉い子がいたんだよねぇ~,少し前に」くらいの過去の存在でしかありませんでした.
そりゃ,「またどこかで会いましょう」と言いました.嘘ついたわけじゃありませんし,格好いい台詞を吐いたわけでもありません.「会えれば良いなと思っています」という意味でしかありませんでした.会うために何らかの努力をしようとは思ってませんでしたからね.
ところが数日後,あの子を見つけたのです.
ももがエリニアからオルビス行の船に乗っていたのですが,そこにたまたまあの子が一緒に乗っていたのでした.
「あ,これ,この子,スリピにいたあの子じゃないか!」
もももびっくりしていました.名前はちゃんと覚えていなかったとはいえ,名前の字面を見たら思い出す間違いない,あの子です.なんという偶然.ももと二人でモニタを覗き込みながら,へぇ~この人がそうなんだぁ,などと話していました.見てると,不用品を捨てながら,隣にいた低レベル者に,良かったら拾って使ってね,なんて話していました.
ももに話しかけてみたら?と振ってみましたが,ももからすればただの初対面の人ですので,尻込みしていました(そうでなくても人見知りする子ですので・・・).まあ,ももに尾行させるわけにもいかず,うちが割り込んで次郎で~すって話しかける訳にもいかず,あの子は船を降りてそのまま雑踏に消えていきました.
その時,ももと二人でその子の名前をしっかり確認しました.Kちゃん.ちょっと変わった感じの,でも発音と字面が素敵な名前でした.
名前を覚えれば内緒が送れます.でも,次郎もももも,まだメイプル歴が浅く,そんなことは思いつきませんでした.親しくもない相手に,いきなり内緒を送ることも(特に相手が女の子の場合)大変なマナー違反のように思えましたし.
「思う心があれば,誰だって魔法が使えるんだよ」
これは,ももが小さいときに二人で見ていたTVアニメの中の女の子の台詞ですが,本当にそうなのかもしれないなと思わせるような出来事でした.
(つづく)
Kちゃんの思い出シリーズ記事リスト
- Kちゃんの思い出(1)~スリピ警備隊編 2010年2月3日
- Kちゃんの思い出(2)~出会い編:前 2010年2月4日
- Kちゃんの思い出(3)~出会い編:後 2010年2月7日
- Kちゃんの思い出(4)~再会編:前 2010年9月5日 ※
- Kちゃんの思い出(5)~再会編:後 2010年9月6日
- Kちゃんの思い出(6)~お別れ編:前 2010年9月6日
- Kちゃんの思い出(7)~お別れ編:後 2010年9月8日
- Kちゃんの思い出(8)~奇跡の再会.そして,あしたへ 2010年9月10日
- Kちゃんと奇跡の再会2010年9月23日