「かあちゃん,ただいま~」
「違います.はい.いえ,だから,うちには太郎なんて子はいません.人違いです.」
「あれ? かあちゃん,誰?今の人.お客さんじゃないの?」
「いや,何かの間違いだよ.最近増えてるんだ.太郎くんはこちらですか?って.」
「何それ?」
「ぐーぐるさんって人に聞いたら,うちを紹介されたって言うんだよ.何なんだろうねぇ.」
「なんでまた太郎なんだろうね.」
「太郎じゃなくて,しま太郎って言ってたかな?」
「何それ.しまじろうとかハムたろうじゃないの?」
「そうそう,そんな感じ.」
「・・・かあちゃん,テキトー過ぎるよ.」
「ん~と・・・そうそう,うま太郎だった.」
「え~,それ馬くんじゃん」
「馬鹿言ってんじゃないよ,ジロー.馬くんは『馬村馬太朗』じゃないか.」
「だから馬くんでしょ?」
「馬くんは,『朗』の字だって」
「あ,そうか.」
「馬くんの紹介記事もあるから,ぐーぐるさんが『馬太朗』でうちを紹介するなら分かるんだけどねぇ.」
「・・・」
「どうしたのジロー.お腹でもイタイかい?」
「いや,ちょっと調べてみるね・・・あ,やっぱり『馬太郎』って書いちゃったところが二か所もあった.」
「何だい,それが原因かい.」
「それで,間違って『馬太郎』でぐーぐるさんに聞いた人がうちに来ちゃうんだ.」
「で?ジロー,お前何やってんだい?」
「ん?間違えて『馬太郎』って書いちゃったところを直してるんだけど?」
「何やってんだい,直しちゃだめじゃないか.」
「え~,何でだよ.」
「いいかい,今までうちに『馬太朗』くんいますかって来た人は一人もいないんだよ.」
「だから?」
「『馬太朗』って正しくぐーぐるさんに聞いた人は,ちゃんと馬くんちに案内されてるんだよ.」
「で?」
「まだ分かんないかい?お前が直したら,ぐーぐるさんに間違って『馬太郎』で聞いちゃう人はこれからどうなるんだい?」
「あ,そうか.その人たち,どこにも行けなくなっちゃう.」
「だろう?うちに来れば,とりあえず馬くんちには案内できるんだから.」
「なるほどねぇ.でも,かあちゃん,さっき追い返してなかった?」
「メイプルストーリー, 馬村馬太朗, 馬村馬太郎, 馬牧場, メイプルストーリーの馬村馬太朗は馬牧場のギルマスで馬村馬太郎は間違い, メイプルストーリー馬牧場のギルマスは馬村馬太郎じゃなくて馬村馬太朗, メイプルストーリーの馬村馬太郎やギルマスは馬牧場で馬村馬太朗, U!M!A! L!I!F!E! ふー,こんなもんで良いかな?」
「何か違うの混じってるけど・・・(質問は華麗にスルーですかい)」
「まあ,これくらい書いとけば,ぐーぐるさんも見つけてくれるだろ.メタタグに書いておくのが一番なんだけどさ.」
「ありがとう,かあちゃん.まあ,とりあえず何とかなるでしょ.」
「しかし,次郎宗光くんはいますかって来る人はあんまりいないねぇ.」
「・・・そうなんだ.」
「馬村馬太朗くんいますかって来る人の半分もいないね.」
「・・・」
「ジロー,友達いないんだね? 」
「ガーン!」
「・・・やっぱり.」
「いや,いるよ.いますよ.馬くんの友達よりは少ないかもしれないけどさ.」
「まあ,ジローみたいな子でも,ギルド馬牧場に入れば・・・」
「いや,今日はもう
営業いいから」
スチャラカチャッチャッチャ~ン(おんぷ